アスペルガー症候群の人に対してはネガティブなイメージが付きまといます。厳しい言い方をするようですが、世間一般から見ると「変人」「ワガママな奴」といった具合に、どちらかと言えば嫌われ者として見られるケースが多いんじゃないでしょうか。


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そこで、どうしてアスペルガーは嫌われてしまうのか、私の妻を例にしてその原因を考えてみたいと思います。


その場の空気が読めない


嫌われる一番大きな原因は、その場の空気や雰囲気を読むことができないことです。

アスペルガーの人は自分の世界や価値観の中で生きています。そしてその世界には他人が入り込む余地はほとんどなく、入ったら入ったで激しい拒絶反応を起こしたりちょっとしたパニック状態に陥ることも珍しくないので、その場や周囲にいる人は、そのアスペルガーの反応に対し不快な思いをするといった具合になるからでしょう。


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私はアスペな妻と長い間同じ時間を過ごしていますが、今でも随所にそのような部分は見受けられます。

今でこそ通院(投薬)のおかげでそれらの症状が改善された部分はありますが、それでも「とある一線」を超えてしまうと、たちまちパニックを起こしてしまうなど、根本的な部分は変わっていません。

まあ、アスペルガーは投薬で治る病気ではなく生まれ持ってきた障害なのですから、いちいち気にはしていませんけど(苦笑)

さて、ここで私の妻のアスペルガーの症状がモロに出てしまったエピソードをご紹介してみたいと思います。


  • 和やかなムードが一瞬で凍りついた釣り公園事件
それは私と妻、そして私の知人で釣り公園に行った時のことです。

釣り公園は家族連れが多く、休みの日ともなればたくさんの人で賑わうのですが、そんな中で私が大きな魚(スズキ)を釣った時、近くにいた子供達が物珍しそうに集まってきました。

子供達にしてみれば普段見慣れない魚ですし、そこの釣り公園で大きな魚が釣れることは珍しかったので、自然と私の周りには人だかりができたんです。

「すげーでけー!! おじさん、これなんて魚なの!?」

子供達は自分が釣ったかのように大喜び。私は目を細めながらその魚を手にし、子供達の問いかけに答えようとしたところその事件が起こりました。すると、突然妻が半ギレになって叫んだんです。

「ちょっと邪魔!! どいて!!」

私はもちろん、知人も子供も、そして子供を見守る親御さんも妻の怒鳴り声を聞いて顔を思いっきり引きつらせていました。

私はすぐさま妻の方を振り返ったんですが、妻はカメラを手にしながら

「子供が邪魔で写真撮れないのよ!!」

とふてくされた顔でいたんです。

とりあえず私はその場を丸く収めようとしましたが、子供達や親御さんは無言のままスーッと自分の釣り座に戻ってしまいました。

なんという気まずさなのか……そりゃそうですよね、いい大人が子供に半ギレするなんて絶対におかしいですから(汗)


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なぜ妻が半ギレしたかというと、妻は私が釣った魚の写真を撮りたい一心でいたのでしょう、その構図に子供が入ってくることを拒絶したんだと思います。

これぞ典型的なアスペルガーの症状なのですが、一度凍りついた釣り場は二度と和やかムードに戻ることはありませんでした。



相手の気持ちが汲み取れない


これもよく囁かれる話ですが、アスペルガーの人は相手の気持ちや考えを汲み取ることができません。

そんなわけなので、アスペルガーな人は「思いやりがない」「自分勝手な人間」と捉えられてしまい、結果として嫌われるのでしょう。

ただ厳密に言うと、アスペルガーな人は相手の気持ちや考えを汲み取ることはできます

なんだかややこしい文章になってしまいましたが、つまりどういうことかと言いますと、相手の気持ちは汲み取れても、その気持ちや考えが何を指し示しているのか理解できないだけなんですね。

うーん、これでもまだ解りづらいかも……そうそう、私が会社勤めをしていた時のことをお話ししてみましょう。


  • 仕事で疲れた私を見た妻の反応
私は結婚してから現在に至るまで、3度ほど会社勤めをしています。

結果的に妻の二次障害が原因でどこの会社も辞めざるを得なくなってしまったわけですが、どうして妻が二次障害に苦しんでしまったのか、それは私が会社勤めをするということが「理解できなかった」からなんです。

普通に会社勤めをしていればいろいろと考えたりするものです。特に私の場合、どこも未経験の仕事ばかりだったわけですから、一日でも早く仕事を覚えるよう気合を入れて生活していました。

そうなればいろいろと気苦労も出てきてしまうわけですが、妻はそんな私の気苦労などどこ吹く風、一向にその気苦労を理解してくれませんでした。


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例えば残業をしてヘロヘロになって私が帰ってくると「なんで残業しなくちゃいけないの!?」と、私がヘロヘロに疲れている理由を知るよりも先に、妻自身の抱く仕事の価値観を押し付けてくるんです。

そして、この価値観の違いが積み重なっていくと次第に私への風向きが強くなり(八つ当たり、とも・苦笑)、やがては自分で何を言っているのかわからなくなって二次障害に陥ってしまう、と。

そのことで私は「どうして疲れていることをわからないんだ?」と何度も妻と口論をしましたが、妻曰く

「疲れていることはわかるけど、どうしたらいいのかわからない」

らしいんですね。

つまり、私が仕事で疲れていることは汲み取ってくれてはいるんですが、妻はその「疲れ」をどう処理してやっていいのか理解できないので、自分の価値観しか言葉に出せなくなるのだそうです。

こうなると私の立場にいる人は「思いやりがない」「配慮に欠ける」という気持ちが芽生えるので、アスペルガーな人に対し嫌悪感を持つことに……これもまたアスペルガーが嫌われる大きな原因の一つなのでしょう。



思ったことをすぐ口にする


最後は「思ったことをすぐ口にしてしまう」ということです。

決して悪気があって口にするわけではないんですが、アスペルガーの人は目に付いたものや頭に浮かんだものをそのまま言葉にしてしまうという特徴があります。

目にした物をすぐ口に出す癖

その言葉が大したものでなければいいんですが、世の中「それは言っちゃいかんだろ」ということってたくさんありますよね? 

つい先日もこんな話がありました。


  • 親心に傷をつけてしまった妻
それは妻が通っている美容院で起こった話です。

その美容院は母娘で切り盛りしている店なのですが、娘さんの方は生まれつき身体が弱いく、妻が髪を切りに行った時もちょっとした流行り風邪を患い入院していたそうです。

で、親御さんが妻の髪をカットをすることになったんですが、「どうしたものなんですかね……」と娘を心配する親御さんをよそに、妻は

「病弱なのは遺伝のせいじゃないですか?」

と言い放ったとか(汗) 

その時、妻は心の中で「やばい!!」と気付いたからまだいいものの、時すでに遅し。仮に本当に遺伝的なものであったとしても、心配している親御さんに対してその台詞はありません。


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アスペルガー本人にしてみれば悪気は少しもないんですが、ついつい出てしまった軽はずみな言葉でどれだけの人に嫌に思いをさせたことか……。これも嫌われる原因の一つになっています。



嫌われない=誤解されないために必要なこと


「その場の空気が読めない」「相手の気持ちが汲み取れない」「思ったことをすぐ口にする」と、この三つが人から嫌われる主な原因となっていますが、これらの特徴以外にも、アスペルガーという障害を抱えているが故に誤解を招いてしまうことは多々あります。

こればかりは障害なのでどうしようもないのですが、少しでも誤解を無くすためには、アスペルガー本人の努力も少しは必要なように思います。

ここで「思ったことをすぐ口にする」で書いた美容院の話をもう一度振り返ってみましょう。

妻が親御さんと話をした時に「やばい!!」と感じたということは、「言っちゃいけない」ということを理解したからです。

実はそう妻が理解できるようになったのは、医師や私のアドバイスもそうですが、妻自身の「頭で考えてから言葉を出す」という日々の努力があったからであり、何の努力もなければ「言っちゃいけない」ということを理解しないまま、周囲に不快な思いを与え続ける「嫌な人間」として生きる羽目になっていたでしょう。


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人から煙たがられない人間になるには、周囲の理解も必要ですがアスペルガー当事者の努力も大切。何の努力もなしに「障害だから〜」と逃げるだけでは、肝心な「ダメなこと」に気づかないままになるからです。

アスペルガー症候群とて一人の人間なのですから、最低限の努力はするべきだと私は考えています。ただ、すぐに結果は求めなくてもいいです。その努力が「理解できる」だけでも素晴らしいことなのですからね。




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